こんにちは。サトゥーと言います。理系の東大生です。
昨日(6/15 Fri.)、 CXO Night #3 デザインを越境せよというイベントに参加させていただいたので、
レポートというか、自分が学んだこと、感じたことをこの記事にまとめていこうと思います。
イベント参加に当たって勉強したことについては、長くなりそうなので別にまとめました。(ちょっと準備中)
会場の密度も空気感も、内容の濃さも、あの会場でしか味わえないものでした。
めちゃくちゃ勉強になったのでその一部でもシェアできればなぁと感じます。
サトゥー
twitterでもハッシュタグ #cxonight でトレンド入りしていました。こちらを追っても雰囲気は感じられるかも。
twitter実況組や、グラレコをしてくださった有志の方のおかげで、参加後も振り返りやすくなっています。
こういうコミュニティっていいね。
togetterにもまとめられていたのでこちらのリンクも載せておきます。
もくじ
感想
内容濃すぎ!!
先に僕の感想だけ言っておくと、
サトゥー
「ただでさえ経験がほとんど無い学生なのに、高い倍率を突破してイベントに参加できるのだから、しっかり予習して付いていかないと」
とは思っていたのですが、終盤は全然付いていけませんでした。。
デザインといっても、広義のデザイン(という区分は怒られるかもしれませんが)に関する話題ですから、
非常に抽象度が高い話で。
ただ、その分、他では聞けないような為になる話もいっぱい聞けたので、
僕の理解の範囲内で説明できればと思っております。
スライドです
CXO Nightの目的は?
まず、今回のCXO Nightのイベントの目的について。
イベントの目的、意義は大きく2つ。
- スタートアップで活躍するデザイナーを集めて、ノウハウを共有する場・コミュニティとして。
- 大手企業、経営層にデザインの重要性を理解してもらうためのエビデンスとして。
経営×デザイン
2つめについて、「経営×デザイン」というのは、先日経産省から発表された「デザイン経営宣言」以降、特にホットなトピックになっているのではないかと感じています。
本イベントは、その「経営×デザイン」について、
実際にデザインの現場、経営の現場で活躍し、「経営×デザイン」を体現されている方のお話を聞ける
というのがメインのコンテンツだったように思います(詳しくは後ほど)
若手デザイナー社長トーク
はじめに、若手デザイナー社長として活躍されている方の対談がありました。
登壇されたのは、こちらの御三方。
広野さんがモデレーターで、山口さん、若月さんが主に話すという内容。
株式会社piconの山口 翔誠さん(@shosemaru)は、「Talkroom」やつい昨日リリースされた「BATON」といったサービスをリリースし、中高生に刺さるサービスを開発することで話題になっている22歳の社長さん。
https://twitter.com/shosemaru/status/1007433483747131392
一方、株式会社UNDEFINEDの若月 祐樹さん(@yukiwakatsuki)は、「NYAGO」というアプリでだいぶ話題になったデザイナー社長さんです。19歳らしいです(年下やんけ…)
中高生の心をがっちり掴むようなサービスをリリースする、まさに今の時代のイケてる社長なわけです。僕でも普通に知ってたもん。
具体的な話に入っていきましょう。
2人とも行動ありきの考え、発言なので説得力が強かったです。
2人がデザイナーを志したきっかけは、「子供の頃からそういう教育を受けてた」とかそういうのではなく、「カッコいいから」みたいな感じだったそうで。特別な経験があったからデザイナーになったというわけでは無いようです。めちゃくちゃ勇気付けられました。
まず作って、ユーザーのフィードバックを受けることが大事
2人とも、デザインに関して「才能が特別にある」というよりは、
「まずは作ってみる」ことから始めて、実際に誰かのフィードバックを受けて改善していくという形でデザインをされているそう。
大事なのはユーザーの体験なのだから、実際に使ってみた上でのフィードバックを重視しているということでした。
その通りですね、ホント。ど正論だと思いました。
デザイン作成のプロセス
デザインを作る時のプロセスについては、
山口さんは世界観や空気感をビジュアルに落とし込んでいく。
若月さんもヴィジュアル重視で作ってみて、そのあとにユーザーからのフィードバックから使いやすさを改善していく、とのこと。
僕は機能性を重視しすぎてヴィジュアル的にダサくなりがちなので、ここは参考になります。
当たり前ですけど、ヴィジュアルめっちゃ大事ですもんね。
社長として経営とも向き合わなければならないので、なかなか大変な面もあるそうです。
ただ、自由にマネジメントができるという点では、自分の思うようなデザイン組織を作り出せるという意味でメリットだとのこと。
学生に対して、「リア充すること」「自分が信じられるものをやる・やれる状態を作る」というメッセージもいただきました。
ざっくり感想
2人ともデザインが好きで、モノやコトを作るのが本当に好きなんだなという印象を受けました。
そして「ユーザー」の事をしっかりと考えている。あくまで「ユーザーのためのサービス・デザイン」であるという意識が強く感じられました。マーケティング的な視点が僕には欠けがちなので、ここは強く意識したいところ。
てか行動力ぱねぇって。若月さんとか年下なんだけど途中からホントに尊敬しかなかったですね。。
こういう同世代を目の当たりにして、刺激になったし、僕らの世代に対する可能性も強く感じたし、そして自分自身に対する危機感が強まりました。
今後の2人の活躍に期待です。僕も活躍できるように頑張ります…
「日本では、ベンチャー企業より大企業に就職するほうが立派。でもシリコンバレーでは逆なんですよ!」って、私が大学生の頃読んだ本に書いてた。
でも今の東京では、若手が大学を卒業する前から、アプリ作って起業して、そういう人たちがスターになってる。ここ数年ですごい状況の変化!#cxonight
— 塩谷 舞(milieu編集長) (@ciotan) June 15, 2018
ちなみに2人の尊敬するデザイナーさんはタカヤ・オオタさんだそう。
御三方、お疲れ様でした。刺激になりました。ありがとうございました。
Goodpatch/オプトのLT
そのあとはGoodpatchさんとオプトのLT。
ReDesignerは僕も知っていて興味があったサービスですが、理念ややりたいことがめっちゃ伝わってきました。本当にデザイナー界隈はアツくなってきているんだなぁという印象を受けました。
webサイトかっこいい。スマホの方もデザインカッコいい。将来はお世話になりたい…
ノートもらっちゃいました。
オプトの三川さんのPinterestを使った自己紹介は参考になりました。。確かに、Pinterestって世界観を理解してもらう上で一番優秀かもしれない。
@ogcrsk Pinterestを使った自己紹介! #cxonight pic.twitter.com/EMb0nYXEbq
— sᴏɴᴏᴋᴀ sᴀɢᴀʀᴀ (@son_3d) June 15, 2018
kakeruの話を聞いて、「発信するって本当に力だなぁ」と感じました。SNSでもブログでもなんでも。発信は力。
僕のブログも誰かが見てくれて、それが何かに影響を及ぼしていると考えるとなんだか不思議な気分。
デザインを越境せよ
さてさて、後半はメインイベント。「デザインを越境せよ」というテーマでのディスカッションです。
かなりメタ的な、濃い話が聞けました。
登壇されたのはこちらの偉人たち。もうこの顔ぶれは見られないとか言われてますね。
僕でもめっちゃ知ってる人たちでした。
生で見て、ちょっとちびりました。
司会のしおたんさん(@ciotan)のまわし方が、個人的にかなり参考になりました。
プレゼン資料の順番にとらわれずに、流れに合わせて進行していく感じ。
一見、順番を無視して流れるように進めた感じに見えなくもないですが、あれはちゃんと考えて設計しないとできないと思います。時間内におさめて(オーバーしてたけども)あれだけ濃い話を引き出せるのはさすがだなぁと思いました。
あ、服がとってもオシャレでした
さて、中身を理解している範囲で振り返ります。
デザイナーは、ユーザーに向き合える人
デザイナーとは企業の中でユーザーに対して責任を持つ人であり、ユーザーと向き合えることがデザイナーの真の価値である。
今回のイベントを通してデザイナーのあるべき姿、持つべきマインドがなんとなく分かったような気がしています。
ユーザーの問題を解決するには、ビジネス、テクノロジーの視点からも課題にアプローチし、総合的に課題解決をしていく必要がある。それはつまり「越境」であって、ビジネスやテクノロジーのように「自分の範囲」というものを決めてはいけないということ。
つまり、デザインとは越境のためのマインドセットであって、越境している人こそがデザイナーである。
という「デザインを越境せよ」に込められたメッセージの解説がありました。
デザイナーって思ったより大変だね。本当に。
デザイン経営宣言
ここから話は「デザイン経営宣言」の話に。
デザイン経営宣言の目的は、
- デザインを経営に取り入れるべきだ!というエビデンス
- デザインについての定義をリセットし、アップデートしたい
というものでした。
2つめの「デザインの定義のアップデート」についてですが、
今のデザインは「狭義のデザイン(small d:見た目や形)」と「広義のデザイン(big D:機能性、経営的デザイン)」の二つにざっくり区分される風潮があります。
参考: design,Design,DESIGNの違いを知っていますか?
この区分がナンセンスだと。
決して、見た目が重要ではないという話ではなく、あくまで
ユーザー視点で見れば、これらのデザイン区分はどうでもいいものに過ぎないと。
そこで、ユーザーにとって重要なものという観点でデザインを定義するなら、どのようになるか?
田川さんは、
デザイン=イノベーション+ブランド
と話していました。
この2軸で考えることこそが、「デザイン経営」の実践において必要なことであると。
デザイナーの「×経営」キャリアについて
ここからはCXOとして、デザイナーと経営との関わり方の話。
深津さんの言っていた「相手の言葉で話そう」というのは基本的ですが、どの世界にでも応用できる超大事なこと。
例えば経営者に対してデザインの価値を伝えたいなら、数字ベースで話す必要があるということ。
これは僕も結構意識してるというか。提案においては感覚は極力使わないようにしているつもりです。
だんだん組織論の話へ。
経営層に近い存在になるデザイナーは、組織のマネジメントを考えなければいけないことを自覚する必要がある。
深津さんのnoteでは、サービスに対する帰属意識を分散させるという工夫を意識しているそうです。
自分=プロダクト(毒親状態。かなりヤバイそう)という状態でもなく、
でもみんなが当事者意識を持っているような状態が理想であると。
確かに。でも実践するのは本当に難しい話だよなぁと思います。
デザイナーがプロダクトとの距離を取る方法としては、「IとWeを定義する」というものもありました。
つまり、「ここはI(特定の人に任せる)」「ここはWe(みんなで)」としっかり明確にすることで、共通意識を持ってやる部分と、俺がやったという帰属意識をもてる部分を明らかにし、チームのアウトプットのクオリティを高めているとのこと。
んー、なんとなくわかるけど、実感を持って理解するのはちゃんと働くようになってからなんだろうなぁ。
まだしっくりきてないところもある。。。
最後の方の「コンペは地雷」という話は面白かったです。参考になりました。笑
今回の話は、Design in Tech Report 2018という資料に載せられているそうです。僕もこれから読みますね。
もっかい振り返って
デザインに対する考え方がかなり変わりました。
「デザイン経営」というものに対する理解も、「デザイン」に対する理解も、かなり深まった気がしています。
そして、「後半の話はよく分からなかった!」というのが本音ではあります。言葉として意味は分かるけど、そこで理解がストップしてしまう感じ。これは自分で実際にやった人間にしか分からないんだろうなぁと思います。
まだまだ未熟ですが、深津さんの言っていた「小さくてもいいから、プロダクト1個をまず作って売ってみれば複数の視点が持てる」というのを実践できるレベルにまで成長します。精進します。
最後になりますが、デザインどアマチュアのただの学生の僕をイベントに呼んでくださったTECH PLAYのみなさま、イベントに登壇されたみなさま、そしてこの記事を最後まで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
貴重な体験ができました。
デザイナーの真の価値は、ユーザーと向き合うことにある!!
あと、デザイン関係で知り合い全然いなくて寂しいので繋がってください、twitterです。
それではまた。
ちゃんとしたレポートが見たい方はあったので貼っときます。
参考 「武器を与えたかった」| CXO Night #3 レポート